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文人草物・2

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前回は天突きタイプの細長い草の作り方を紹介しましたので、今回は普通の草の作り方を書いてみたいと思います

今の時期は菊・大文字草・ススキなどのような旬の草物が人気になっていますが、ツルソバも可愛らしい花と紅葉の葉が綺麗で、良く使われている草の一つです

一般的には、このような感じで茎葉が鉢一杯に広がって、たくさんの花が咲くものが好まれるようです。もちろん、この鉢も同じような感じにしようと思っていたのですが、夏に水切れさせてしまいだいぶ薄くなってしまいました(笑)

これはこれで、成型美や様式美あるいは集団的な美を感じ取る事はできますが、あまりにありふれてしまい僕の好みではありません。そこで、なんとか文人風の味を出せるように工夫をしながら作るのですが、なかなか思うように作れないのが文人草物でもあります


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この鉢は、ひょろひょろと茎を伸ばしながら作ろうとした一鉢です。茎を伸ばすために春先から日影で管理をしておき、なんとかここまで伸ばす事ができました

思っていたよりもちょっと茎が伸びすぎていますし、葉も締まらずにやや大きめになってしまいましたが、軽さを感じさせるような風情は多少出ているように思います。特に、前面に伸びて這っている一茎が、面白い感じになっていて、上に伸びている一茎を切りつめれば使えそうな感じになっています


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こちらの鉢も、文人風情を出すために作っているものですが、持ち込んだ根茎の部分を少し根上がり気味に植え付けてあり、文人の軽さと言うよりも盆栽で言うところの「変わり木」のような風情になっていますが、良いところから茎を伸ばしてくれていて、花のある位置も抜群で洒落た草になっているように思っています

僕自身としては、なかなか出来の良い一鉢だと思っているのですが、まず他人から褒められる事はありません(笑)

山野草を専門に作っている人や盆栽水石の添えにしようと草物を作っている人は大勢いるはずですが、99.9%の人はこのような作り方はしませんから、理解を得る事はできないだろうと思っていますし、理解を得ようとして作っているわけではありませんから、どうでも良いのですが、このような美があっても良いだろうという事で、草物についてもこのような文人風に仕立てているのです

まさにマスターベーションそのものの世界ではありますが、水石や文人盆栽に良く合う草物はこのような物ではないかというのが僕の美意識でありますので、これからも同じようなものを作り続けていくことでしょう

盆栽と違って草物は同じような管理をしていても毎年姿が変わってしまい、同じ草姿のものを作り出すのは不可能なので、まさに一期一会を体現しているように思います。今回、3枚目の鉢は久しぶりに気に入ったようになりましたので、記録かたがた記事にしてみました

ほとんど期待はしていませんが、この記事を見て文人草物を作りたいと思うような人が一人でも現れてくれると嬉しいです。「文人草物」などというのは、恐らく初のジャンルだと思いますので、文人盆栽好きな方はぜひチャレンジしてみてください!

by haruka000s | 2009-10-30 23:55 | 山野草  

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