糸魚川シンパクの木作り
ここのところ猛暑が続いていたり、仕事が忙しくて、家に帰ってくるとグッタリするだけの毎日でしたが、日曜日は、それほど気温も上がらず、おまけに夜は夕立があって、久しぶりに熱帯夜にもならず涼しい夜を過ごす事ができました
そのため、夜には糸魚川シンパクの挿し木苗を家に持ち込んで、何本か作ってみました。もちろん文人です(笑)。この苗は、前回書いたように、幹に捩れだけを入れてあるものです
これから、軽く樹を作っておいて、葉を吹かせながら、幹に彫刻をしつつ仕上げていくという感じになります
とりあえず作ってみたのが、この写真です。あまりに貧相ですし、おまけに樹芯も伸ばしっぱなしで、少しみっともないのですが、これには、少し訳があります
今回の作業は、とりあえず軽く樹を作っておいて、今秋から葉を少しずつ充実させるのが目的です。9月くらいになりますと、再び新芽が伸び始めますので、芽摘みをしながら葉を込ませていきます
ここで、注意して見てもらいたいのは、上部に幹芯が残されている事です。普通に作るのであれば、このままここで切断しても良いし、あるいは、もっと先端部の枝葉で作ってもかまわないのですが、この樹については、来春になりましたら、植え替えして幹に舎利を入れていき、水吸いを作っていく予定をしておりますので、樹勢の確保と削った水吸いの太りを早くするための犠牲枝として残してあるのです
このように犠牲枝を残しておきますと、水吸いの上がりも早くなりますし、樹勢が乗りやすく、仕上がりも早くなりますので、覚えておくと良いかもしれません
残しておいた犠牲枝については、水吸いが上がったら切除してもかまわないし、ジンにする事も可能ですので、樹の芸を一つ増やす事にもなります
もちろん、丸幹でそのまま作るような場合は、この限りではなく、細幹を維持しながら作っていくことも良いと思います。この樹の場合は、舎利芸を付けるために幹に捩りを入れてありますので、綺麗に水吸いを上げたいですね
予定では、来春から3年ほど幹芯を伸長せせれば、綺麗な水吸いができ、樹も仕上がる予定です。シンパクは好きな樹の一つですが、だいたいこのような感じで、作るようにしています
by haruka000s | 2007-08-21 23:13 | 木作り