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ナナカマド

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 このナナカマドは、元々三幹のナナカマドでしたが、昨年、突然主木が枯れてしまい、とりあえず双幹にして復活させているものです

 枯れたと言っても、主木全部が枯れたわけではなく、主木の上半分だけが突然枯れてしまいました。どうして主木が枯れてしまったのか不明なのですが、気持ち悪いので根本から切除して双幹に作り直そうとしているものです。しかし、主木の根本から新しい芽が吹いてきましたので、このまま伸ばして三幹にする手もありますので、しばらくは様子見という感じでしょうか

 主木があった時は、左勝手にしていましたが、今回は右勝手の双幹にして、幹の振りを少し手直ししてあります。鉢合わせについては、三幹でしたらちょうど良い鉢の大きさでしたが、主木を失ったため少し大きめではありますが、そのうち植え替える予定です

 本場の長野県では模様木や寄せ植えに作られている事が多く、古い樹もたまに見受けられますが、この樹はまだまだ若木で、幹味がくるにはかなり持ち込みが必要になりそうです。頂部を立て替えながら細幹を維持しつつ、持ち込めればと考えています(たぶん途中で飽きてしまうと思いますが・・・笑)

 ナナカマドの見所は、白い花・実・紅葉でしょうか。この樹の特徴は、写真のとおり葉の上に花が咲く事と、実が付くようになることです。たわわに実った実は、時期になりますと葉の下に下垂してくるようになります
 このような樹種を作る上で注意したいのは、やはり樹形表現です。【花が咲くものは、一番花を美しく】【実が付くものは、一番実を美しく】見せる・・・・というのが根底にあって、それと樹姿を調和させるというのが、僕の木作りの基本です

 さて、このナナカマドですが、なぜこのような斜幹に作ったのかですが、まず『葉の上に花が咲く』という特徴を考えますと、背の高い文人調にしてしまうと、先端部分に花が咲きますので、あまり格好が良くありませんし、樹に正面から対峙した場合、花を下から見上げるようになってしまいますので、これでは綺麗に花を観賞することができません。このような花の場合、できれば目線(鑑賞者の視線)よりも下で花を見るようにしますと、花の全貌がわかって鑑賞価値も上がると思っています

 ですから、本来なら、懸崖とか半懸崖にして見ると、一番花が美しく見えるようになるのですが、いかんせんナナカマドという樹に似合う樹形ではありません。そのため、違和感の少ない斜幹にすることにより、花の咲く位置をできるだけ低くし、目線の高さに近くなります。これにより違和感なく花を見る事ができるのです

 もちろん、花も実もこだわらず、樹形にだけこだわっても何ら問題はありません。僕も、斜幹が好きだからこのような樹形にしている・・・というだけではなく、それぞれの樹が持つ特徴を活かした木作りを僕の感性で行いますと、このような樹形になってしまうという見本みたいなものです

 ただ、あまり細幹で斜幹にしてしまいますと、花が咲いたり実をつけた時に、細い幹がその重さに耐えられず下垂してしまうことが多々あります。この樹も本来は主木にだけ花を咲かせて実をつけていたのですが、主木は十円玉位の太さがあったので耐えられていましたが、現在の主木は、根本でも1.5cmくらいしかないので、針金を外しますと幹が下垂してしまいます(笑)。これでは、いくら何でも鑑賞価値がありませんので、花をとってしまわなければなりません。とはいえ、せっかくですから、実を楽しみたいと思い、針金で支えている状況です(笑)

 ナナカマドは、七回釜に入れても燃えないと言われているくらいなので堅い木と思いきや、実はそれほど堅くはなく、どちらかというとしなやかな樹ですから、少し太らせないとならないとと考えているところです

 参考までに、このような樹形を維持していくのには、3年に一度くらい樹芯を立て直していく必要があります。次回は、3~4芽ほど手前で切りつめて芯を立て替えるのですが、この時に注意したいのは、手前にある芽の立て替えにあります。細い丸幹ですから、できれば傷や傷跡すらつけたくありません。そのため、正面側に出ている枝を立て替えれば、傷跡は後ろ側に回り見えなくなりますので、そのような位置にある芽で立て替えるようにします。立て替えたい芽が裏にあるのなら、無理矢理幹をねじって正面に持ってくる場合すらあります(笑)。このようにして立て替えを続けていきますと、綺麗な幹の維持を図る事ができます

 細幹雑木の芯の立て替えは、どのような樹種であっても、基本は同じですので、このようにしておくと良いと思います。時には、樹形上は不要な芽であっても、立て替え芯候補となりそうな芽は大切に維持する場合すらありますので、芽吹きの良い樹種ならともかく、芽吹きの良く無い樹種では芽を大切に扱いたいものです

by haruka000s | 2007-05-08 22:38 | 双幹  

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