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キンロバイ

キンロバイは盆栽樹種としてはポピュラーで、特に小品盆栽として良く作られているようです

この樹種ですが、僕が初めて出会ったのは南アルプスの北岳山頂付近でした。キンロバイというのはいわゆる高山植物の一種みたいなもので、日本で一番標高の高い場所にある木本類といっても差し支えなく、3,000mを越す高嶺に生育しています。3,000m超でも生育できるのは本種とハイマツくらいのものでしょう
当時は20歳そこそこくらいで、まだ本格的に盆栽を始めていませんでした。また高山植物ですので平地で生育できるとは思っていませんでしたし、ましてや盆栽樹種として利用されていることなどまったく知らない頃でした

当時高山植物に詳しい人と南アルプスに良く登っていたのですが、その人曰く『キンロバイは非常に生命力があり、このまま枝を折って平地へ持ち帰り挿しておけば根が出るよ』と教えてくれたことがあり、今でも良く覚えています。それでも、高山植物ですから発根はしてもさすがに平地では育たないだろうとも思っていました

盆栽を始めるようになりキンロバイに出会っても、良くこの高山植物が平地で育っているものだと感心していたのですが、想像以上に強くクソ暑い甲府盆地の夏でも乗り越えられる強健な植物であることがわかりました。高山植物なのに、なぜこんなに強健なのかといまだに不思議に思っています

20年程前になりますが、長野の富士見町ではこのキンロバイを畑で盆栽用に育成しているのを見たことがありました。畑植えされていたキンロバイは樹高40cmで幹径が4cmほどあり、こんなに大きくなるのかと驚いたことがあります

次から次へと咲き出す黄色い花はなんとも涼しげな感じがし、小品の模様木に良く作られているようです。少し作ってみようかと思い、一昨年挿し木をして作り始めました


キンロバイ_a0097110_23402812.jpg


さて、そのようなキンロバイですが、僕が作るとこのような形になってしまいます

キンロバイは芽吹きが旺盛で、ほおっておくとすぐに株立ち状になってしまいますので、その芽を伸ばして模様木に仕立てていくのが一般的なのですが、天の邪鬼な僕はあえて細幹の文人にしてしまいます(笑)

この木は昨年までポリで育成し今春この鉢にあげたばかりのものですので、まだまだ幹も固まっていませんが、このまま持ち込んで文人にしようかと考えています

もちろん、馬鹿の一つ覚えのように文人ばかりを作っているわけではありません。10本ほど挿しておきましたので、3本ほどはこのような文人風にし、残りは寄せ植えに仕立てようと考えていますが、文人を目指すのは珍しいだろうと思い紹介してみました

by haruka000s | 2010-05-12 23:41 | 文人木  

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