<   2007年 06月 ( 13 )   > この月の画像一覧

 

赤松改作02

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一昨日の赤松を改作したのが、この画像です

この樹は、先端部分にしか枝葉が無く、少し手前に右へ出ている細長い枝があるのが特徴で、幹模様は平板でちょっと単調気味。また、少し高い位置にある一曲めが、少し嫌みな曲になっているのが、この樹の特徴です。まあ、見所が少なく、あまりにも凡庸な樹ですね

このまま作っていても、とうてい良くなる樹ではありませんから、改作しなければなりません。改作(木作り)とは『長所を引き出す』事と『短所を補う』事につきます。そこで、この樹の長所を探してみますと、なかなか無いのですが、しいて言いますと、幹に振られた小さな曲と先端部に作られた枝葉という感じです(かなり苦しいです:笑)

一番の短所は、なんと言っても、カクッと曲がった一曲めの嫌みな曲で、単調で細長く伸びた幹も短所になるかもしれません
ですから、この木を作るにあたって考えなければならないのは、嫌みな一曲めと単調な幹を処理する事と、小さな曲と先端部の纏まった枝葉を活かす事になります

最初に考えたのが、一番嫌みな一曲めの処理についてです。この部分の処理方法は、二つあり一つ目はこの部分を少し削って舎利にすることです。元々枝抜きの跡ですから、舎利にしてもおかしくありません。二つめの処理方法は、この部分を裏側の見えないところに持っていき、目につかなくする方法です。前者の処理方法では、このまま右勝手でも作れますし、どのように植え付け角度を変えたり、幹を振っても作ることができます。後者の作り方ですと、嫌みな部分を裏側にしなければなりませんので、左勝手に作らなければなりません
今回は後者を選択することにし、左勝手で作ろうと第一感で決めました

次は単調な幹の処理です。長く単調な幹ですので、こればかりは折りたたんで作るしかありません。赤松作りのテクニックの一つに、硬い幹を折って作る方法もあるのですが、この樹は、まだ若く折るほどでもありませんので、畳んで作ることに決め、植え付け角度を変更することなく作れるよう幹を畳んでいき、泳ぎ出すような幹の動きを付けてみました。もちろん、この時には、すでに入っている幹の小模様を活かすような曲付けにしてあります

そして、最後の仕上げは枝葉の処理です。写真ではわかりにくいのですが、頭の部分と4つの棚で構成するように針金が掛けてあります。新芽が横に伸びていますので、ちょっとわかりにくいのですが、芽が立ってくればわかるようになります

また、最後の曲の部分については、折って直角に近い曲をつけてありますので、ひょっとしたら枯れてしまうかも知れませんので(99%以上は大丈夫ですが)、細長い枝については、枯れてしまった時の予備のために残してあるものす。このまま下部の本体が枯れなければ、最後はジンにでもします(爪ジンが良いかも)

とまあ、人それぞれではありましょうが、僕は、このような感じで木作りをしています

これからの管理についてですが、夏の間は、やさしく養生をしておいて、秋になりましたらガンガン肥培して、冬になったら新芽を全て切除し(いわゆる秋芽切りです)、来春に出てくる新芽で小枝を作っていくことになります

1~2年はこの鉢で、秋芽切りや緑摘み等で小枝を増やしていき、その後は、合った鉢に植え替えて、今度は痩せ作りに移行していくことになります。仕上げ段階になりましたら、痩せ作りをすることによって、赤松らしい優しい葉になってきますので、そうしますと、このような樹に似合う葉組にもなってきます
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by haruka000s | 2007-06-29 23:06 | 木作り  

赤松改作01

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文人木を作ると言いますと、枝も少ないし簡単に作れると思っている人が多い事と思います。現に僕自身も同じで、「こんな樹だったら簡単に作れるし、迫力が無くて面白くない」と、「盆栽は、太くてどっしりとして、さあ、どぉ~だ!」という方が、盆栽として面白いと初心者の頃はずーっと思っていました

そして、ある時、ふとしたことから文人木を作ろうと思い、チャレンジしてみたところ、なかなか思ったような形にならず、ヘンテコな樹になってしまい、どうしても文人木らしい樹を作る事ができませんでした(笑)。そこで、一念発起して、文人を作る練習を重ねていましたら、文人木の持つ魅力に嵌ってしまい、文人木を多く作るようになりました

文人木の持つ魅力は、一言で言えば【洒脱】・【瀟洒】と【侘び】でしょうか。最低限の枝葉で、その樹の持つ魅力(見所)を引き出すのですから、大袈裟に言いますと、1本の枝を抜く事も許されないし、1本の枝を足す事もできないと思わせる物が良いように考えています
今日は、2日ほど前に作った赤松がありますので、ちょっと紹介してみます。この赤松は、昨年知人からもらった赤松なのですが、貰った時は瀕死に近い状態で、知人も「この樹は、もう作れないから、良かったらどうぞ」という感じでいただいた木です。代わりにうちにあった草物を差し上げたのですが、あまり魅力のありそうな樹ではありません

山取り後、文人を目指して5~6年くらい作ったそうで、右勝手の優しい斜幹になっていて、小枝もまあまあできていますので、樹勢さえ回復すれば、早く仕上がりそうな感じには見えました。昨年1年間は樹勢の回復に努め、今春には肥培できる状態までになりましたので、夜にちょっと作ってみました

この2枚の写真は、作る前の状態です。なんとなくヒョロッとした樹で、そのまま作っても見られそうになるように思いますが、これといって個性や見所があるわけでもありませんし、このまま作ってみても、まず出世する樹にはならないでしょう

そのため、簡単な改作をする事に決め、ちょっと作業をしてみました。大きな変更箇所は【幹模様】で、幹を動かすことで、樹に動きと変化をつけ、わずかに小枝操作をして、なんとなく作ってみたのです。それと、右勝手の樹を左勝手に変更してしまいました

さて、この樹が、どのように変貌したのでしょうか??

結果については、次回にでも紹介することにしますので、いろいろと想像してみてください(笑)
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by haruka000s | 2007-06-27 23:40 | 木作り  

赤松文人

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 前回は、ヘンテコな赤松を見せてしまいましたが、いつもいつもあんなヘンテコな樹形表現ばかりをしているわけではなく、オーソドックスな樹形もたまには作ったりしますが、やはり僕が作るメインは細幹の文人木です。人によってはこのような木は文人木ではなく変わり木だと言われそうですが、型にはまっていない樹形表現が好きなので、どうしても、このような細幹の文人系の樹ばかりなってしまいます
 特に、双幹・三幹・寄せ植えなどの多幹樹形や石付きも好きな樹形ですので、これからは、このような樹形を作っていく事を予定して素材作りに励んでいるところです

 では、なぜこのような樹ばかり作っているのかということについて、ちょっと触れてみたいと思います。盆栽を楽しむ方は、大きく三つに分かれているように感じ、一つは挿し木や実生から作って楽しむタイプで、二つ目は素材を購入して作り込んでいくタイプ、三つ目は完成品もしくは半完成品を購入して楽しむタイプです。知り合いを見ている限り、一番多いのは、二番目の素材を購入して作るタイプの人だと思います。これは、冷静に考えてみれば当たり前の事で、まだ素材段階の樹ですから価格もそれほど高価ではありませんし、気に入った樹種でき気に入った樹形だけを購入できますから、自分のコレクションを充実させるためには一番手っ取り早くて、一番効率的な方法です。また、都会や地方に住んでいますと、欲しい樹種が近くに自生しているわけではありませんから、実生するにしても山取りや挿し木をするにしても、その種木が近くにありませんから、このタイプの愛好家が一番多いはずです

 実生したり挿し木から素材段階まで作って、それから盆栽にしていくのは、それなりの技術や経験が必要ですし、広い場所が必要だったり、なにより不要な素材がたくさん出てしまいますので、その処分に困ったり、数を多く作っていますと、管理に手が回らなかったりして満足な素材すら作れない事も想定できます。そのため、おのずと素材を購入して作っていく事が、効率面を考慮しますと、一番良い方法になってしまいます

 盆栽業者さんにも、いろいろな業者さんがいまして、素材だけを専門に作っている方がいたり、素材を購入して盆栽に仕立てている方がいたり、素材生産から一貫して作っている方までさまざまです。しかし、素材を生産する段階を考えますと、考える事は皆同じでして、3年掛け、あるいは5年を掛けて素材を作るとしても、3年掛けても500円にしかならないものがあったり、時には5,000円近くするものもあります。これは、樹形的な面白さ・樹種的な珍しさにより価格が変わってくるもので、同じ年数を掛けるのなら、少しでも価格の高い商品にしたいのは誰でも同じでして、人気のある樹種を生産したり、人気がある樹形(大きさ)を生産したりするようになってしまうのは当然の事で、日本中の生産業者さんが同じような物を作る傾向になってしまうのはいたしかたない事と思います

 そうしますと、一番問題になるのは、供給される素材の質になってきます。僕が小品盆栽をやっていた20年ほど前と比べますと、質が良くレベルの高い素材がかなり安価に供給されている事は確かで、良い素材が提供されている事は非常によい事と思っているのですが、問題なのは、皆同じような傾向の素材ばかりになってしまうという難点もあります

 太くて曲が良く寸が詰まっているような素材が、一般的に好まれているタイプの樹ですから、おのずと生産者さんも同じような樹を作る事になってしまい、その結果、同じようなタイプの素材が日本全国で売られているという現象が起きてしまいます。僕が好きな細幹素材については、同じ年数を掛けて作ったとしても、今の人気である太・短素材の数分の1~10分の1位にしかなりませんので、普通の生産業者さんなら、まず作る事はありません。それと、栽培技術も格段に進歩し、それほど難しくなく、良い素材を作り出す事ができるようになりましたので、細幹の素材が供給される事は、ほとんど無いのが現状でしょう

 もちろん、太くて短く寸の詰まった樹は、盆栽として良い樹であることは間違いないのですが、日本全国の愛好家が同じような樹ばかり作っているのが、変人の僕には信じられない事で、一例をとれば、ヤマモミジ・カエデ・黒松などは、盆栽として作られている物であっても、あるいは素材でも基本的には皆同じように見えてしまいます(笑)。どの木も根本に一曲入っていて、太く短く寸が詰まっている模様木ばかりです。それらの相違する点と言えば、座の善し悪し・樹の古さ・サイズが違うくらいでしょうか・・・・

 太く短く寸が詰まった模様木であれば、本格派で主流の盆栽の盆栽樹形でもあり、基本の盆栽樹形でもあるわけですから、決して悪いわけではないのですが、やはりどうにも好きになる事ができません
 ミニ盆栽や豆盆栽と呼ばれているような小さな盆栽に至っては、ほとんどが半懸崖みたいな樹形ばかりなのも、イマイチ好きになれないです。まあ、数センチというサイズを考えればこのような樹形ばかりになるのも仕方がないとは思いますが・・・・・

 また、他人と同じような樹は作りたくありませんので、どうしてもあまり作られていない樹形表現に走ったり、多幹樹形に走ったりして、他人との差別化を図るような盆栽を作ってしまうのです(笑)。もちろん、これにはいくつかの理由も存在します。他人と同じような物を作りたいというのが一番大きな理由であるのは間違いありませんが、その反面、負けず嫌いな部分もありまして、例えば日本一のヤマモミジの盆栽を作りたいと思っても、とうてい手が出るような金額ではありませんし、素材を購入して作るにしても半端ではありません。かといって、それよりもだいぶランクが落ちてしまうものなら、作っていても面白くもなさそうな気がして、違った面で勝負したいと思ってしまうのです。樹格では勝負になりませんので、美的センスで勝負するという感じでしょうか。名木というのは誰が見ても良い物なのですが、名木でなくヘンテコな樹形であっても、不思議と個性が感じられるとともに、心惹かれる樹があったりするもので、そのような樹を作ってみたいと考えているのです

 例えは悪いかもしれませんが、写実画に抽象画で勝負を挑んでいるようなものです(笑)。勝負という表現もあまり良くない表現ですが、簡単に言い換えますと『目立つ』という表現かもしれません。黒松・ヤマモミジ・カエデの模様木などは、正直なところかなり良い樹でないと、展示会でもまず目立つ事はありません。そこそこのクラスの樹でしたら、掃いて捨てるほどありますから、よほどの良い樹でないと展示会を見ても覚えていることすら無いのが現実でしょう。しかし、さほど良い樹でなくても、変わった樹形だったり、見た事もない樹種や樹形だと、不思議な事に良く覚えているもので、僕が作っているヘンテコな樹も、そのような位置付けを狙っているのも確かではあります

 これは展示会などでなくても、まったく同じでしょう。普通の樹やそこそこ良い樹なら、展示会だけでなく盆栽屋さんに行けばたくさん見る事ができますし、ネット上においても、それはまったく同じです。太く短く寸の詰まった良い樹など、盆栽屋さんの通販サイトでも見れば、そのような樹ばかり並んでいます
 このサイトに、同じような樹を並べてみたのでは、それらとまったく同じになってしまい、他サイトと差別化する事はできませんし(その前に、そのような樹を持っていませんが)、するつもりもありません(樹を持っていないのでできませんが)『笑』

 それと、細幹樹形が好きという事が一番大きな理由です。盆栽界では、良く「お茶の飲める樹」と言うような表現をするのですが、味がある細くて古い樹が好きなので、こればかりは好みですから仕方がありません。細幹の文人や双幹・三幹などの多幹樹形などは、作るのも簡単そうにみえてしまいますが、実は、最低限の枝のみで構成したり、微妙な幹の振りを作ったりと、妥協も誤魔化しもきかない樹形ですので、ある意味、一番難しい樹形ではないかと考えています

 文人木や軽い感じのする斜幹樹、あるいは細幹の双幹や三幹樹などは、なかなか良品が無い樹形でもあります。作っている人の絶対数が少ないのと同時に、難しく、センスが問われる樹形でもありますから、良い物が少ないのもいたしかたありません。そのため、難しい樹形にチャレンジする楽しみというのもあり、挑戦してみる事も面白いです。ごく希に、これは決まったなぁ・・・と思えるような物が作れますと、その達成感も大きなものがあります

 写真の赤松は、なんとか変わった樹形にしようと四苦八苦したのですが、なかなか思うようにいかず、とりあえずありきたりに纏めてみました。これでは、普通の文人ですね(笑)
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by haruka000s | 2007-06-25 23:26 | 文人木  

赤松文人(変わり木かな?)

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僕が好きな樹は、赤松と真柏で、次はシデ類といった感じです。もちろん、他の樹達もそれぞれ特徴といいますか、それぞれの持ち味がありますので、他の樹が嫌いというわけではなく、赤松と真柏については、樹形表現の自由度があったり、何よりも乾燥に強く、多少の水切れでも枯れないタフなところが、僕のいい加減な管理に良く合っているようです(笑)

シデ類については、青々とした厚い葉と、房状につく実のバランスが、何とも好きでして、夏に涼感を感じる樹はたくさんありますが、清々とした涼しさを感じさせる樹として、シデ類が次に好きな樹となっています。庭にも、クマシデがメインの樹として植栽してあるくらいで、房状になる実が何とも言えず大好きなのです

ちなみに、植えた樹はてっきりアカシデだとばかり思っていたのですが、数日前に図鑑で良く調べ直しましたらクマシデでした(笑)。30年ほど前から、綺麗な房になるのはアカシデと勘違いして覚えていましたので、今になって、その間違いに気づくとは、なんとも情けない事です

ここのところ、休日も用事が満載していまして、盆栽に手が回らなくなってしまったので、夜間に少し作業をすることにしました
僕の場合、盆栽作業といいましても、芽摘みとか葉刈りとか、手が掛かる雑木はほとんど持っていませんので、日常の作業は潅水と除草くらいなもので、メインの作業は樹作りになります。つまり、針金を掛けて樹形を作ったり、掛けてある針金を外したり、剪定をしたりなどの作業です

ここまで書いて、ふと思い出した事があるのですが、ヤマモミジ・カエデ・ケヤキなどの人気がある雑木樹種を、今までにほとんど作った事がないのです。ヤマモミジについては、少し前に掲載しました実生苗が初めて手がけるものですし、カエデについては、過去に1本だけ恐ろしく古い文人木を作っただけで、ケヤキについては、1本も作った事がありません。途中長いブランクがありましたが、この人気樹種と言いますか普通樹種を作った事のない愛好家なども珍しいのではないでしょうか(笑)

ちょっと好みが偏っている事もありますが、ここのところは、赤松・真柏の他にも、雑木の寄せ植えにも興味を持つようになっていますので、モミジ・カエデ・シデなどの雑木の寄せ植えを作ってみようとチャレンジしています。チャレンジなどと書きますと大袈裟で、まだ実生したり挿し木しながら素材を作っている段階なので、まだまだこれからなのですが・・・(汗)

ちょっと話が脱線してしまいましたが、夜お酒を飲んで風呂上がりに盆栽をいじくっていますと、夏の強い日差しの暑さもありませんし、蚊もいませんし、おまけに喧噪もなく静かで、なかなか良いものでして、意外と作業もはかどります
ここ数日、何本かの赤松を整枝してみたのですが、その中の1本を今日は紹介してみます

この樹は、文人木という範疇に入るものとは思いますが、どちらかというと『変わり木』かもしれません。当初は、緩やかな曲を持つ細幹の文人を目指していまして、一度幹を折りこんでから軽く作ろうと考えていたのですが、考えた据え立てて変わり樹風に作ってみようと整枝し直した樹です

良く見ますと?(ハテナマーク)に似た樹形になってしまいました(笑)。このような変な樹形を作る人は少ないと思いますので、ちょっと紹介してみました

今後の予定は、数年間肥培して下部にある枝を作り込んでいく事と、一番上に飛び出している枝は、もう少し太らせてから短めのジンにする予定で伸ばしてあります。全体が縦長で細く作り込んでいきたいと考えていますので、下部の棚も横に広がらせることなく作ってみたいところですが、これからどうなるやら・・・・・です
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by haruka000s | 2007-06-21 22:30 | 文人木  

イロハモミジ

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無知とは恐ろしいもので、僕はヤマモミジとイロハモミジは同じもの(同種)だと、ずーっと思っていました

日曜日に、僕が庭作りを面倒見ている知人の家に久しぶりに様子を見に行ったところ、変わったモミジが植わっていました。どうみてもヤマモミジなのですが、恐ろしく小葉なのです。写真で見てもわかるとおり、葉一枚は、500円玉ほどの大きさで、とても普通のヤマモミジどころではなく、こんな小さな葉のヤマモミジは見たこともありません

これが俗に言う小葉のヤマモミジというものかと思い、その知人に聞いたところ、「これはイロハモミジで、悠さんが紹介してくれた植木屋さんに、葉の小さなモミジを見付けてくれと頼んだら、このモミジを見つけてくれました」と言うではありませんか。うちは、まあまあ庭のスペースがあったので、コハウチワカエデを植えてあるのですが、その知人の庭は、かなり狭いのでハウチワ系統ではなく、小葉のヤマモミジを植えればと指示をしておいたところに植わっていたのです

このモミジは、高さが2m50cmくらいもあるのに、こんなに小さな葉ですから、いくら何でも、こんなに小さな葉とは・・・と驚いていました。ちょっと気になってしまい、図鑑で調べたりネットで検索していたら、なんとヤマモミジとイロハモミジは別種ではありませんか・・・・・しかも、イロハモミジの方がヤマモミジよりも小葉らしく、このモミジがイロハモミジであることに合点がいきました

それにしても、これだけ小さい葉となりますと、葉の大きなヤマモミジなど馬鹿らしくて作る気にもなれないくらいの大きさですね。ちなみに左に比較のため置いてあるのは、家にあるコハウチワカエデの葉です。いかに小さいかがこれでもわかってもらえることと思います
さっそく一枝もらってきて、挿してみたのですが、久しぶりに興奮する樹でした。この樹が盆栽に作られないのはなぜでしょうか・・・ちょっと不思議です

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この本(図鑑)は、僕が愛用している植物図鑑です。草本と木本の2種類があり、両方を使っています。山に行きますとヤマモミジはたくさん見るのですが、このように葉の小さいイロハモミジなど見たこともありませんので、山梨は分布域に入っていないだろうと思っていましたら、山梨も入っているようです。これだけ山に入っているのに、イロハモミジにも気がつかないとは。何とも情けないことです(笑)

とまあ、それだけならともかく
久しぶりにこの図鑑を見ていましたら、なんと他の間違いにも気がついてしまいました(笑)。その間違いはシデです。てっきりアカシデと思っていた樹が、実はクマシデでありました(笑)。実に30年以上も間違って覚えていたとは、ちょっと情けないです
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by haruka000s | 2007-06-18 23:20 | その他  

紅額(アジサイ)

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 いよいよこちらも梅雨入りになり、鬱陶しい季節が始まろうとしています。梅雨と言えば、やっぱりアジサイを思い浮かべますので、本日は、アジサイを紹介してみたいと思います

 覚えている人もまあいないだろうと思いますが、この写真は、以前に一度だけ水石のHPで紹介した事がある紅額という品種のアジサイです。紅額は、名前のとおり、花(正式には装飾花かな)の周囲から紅色に染まってくる特徴を持った花で、古来から愛されてきている古い品種の一つです。アジサイについては、基本的に青系の花が好きなのですが、このような色合いのものも、持っていても良いかなと思い、一鉢だけ作っています

 以前は、ただ作っているだけでして、写真のような感じで楽しんでいたのですが、昨年、ちょっと変化をつけようと思い、剪定と針金掛けを行い、少々樹形をいじってみました。最初は、数本の幹だけにしてタイトな文人にでもしようかなと思ったのですが、それでは、花を観賞するのに、あまり良くありませんので半懸崖の吹き流しにしてみました

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 このようにしておけば、花を良く見ることができますし、アジサイらしくない樹形も、ちょっと変わった風情で良いかなと思っています。今春に、この鉢に植え換えてあります。鉢型は同じで、瑠璃か緑釉の方が圧倒的に似合うのですが、なんせ持ち合わせがないので、とりあえずこの鉢に入っています。また、ちょっと動きが強い樹にしてしまったので、脚が無い皿鉢でも良さそうですね

 芽出し前の剪定が甘く、適当に切りつめてしまったので、あまり形になっていなくて、針金を掛けて直している最中の幹があったり、各幹の長短や揺すり具合も適当になってしまっていますが、あと2年くらいすると、良くなりそうな感じがしています。あまり見た事のない樹形表現だと思いますので、ちょっと紹介してみました。ちなみに、他に10鉢くらいの素材を作っているのですが、ほとんどが半懸崖か懸崖樹形で、まずアジサイでは少ない樹形でしょう(笑)

 多彩な樹形表現を表現するのが好きな僕にとっては、まあまあ楽しめる素材でもあり、暇があると、このような樹を作っては遊んでいます(笑)。2枚の写真とも、同じ樹です
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by haruka000s | 2007-06-17 22:09 | 吹き流し  

蛸壺植え

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 少し前に、蛸壺の話題が出ましたので、ちょっと蛸壺を使った物でも紹介してみたいと思います

 以前、mixiで紹介したのは、写真のような蛸壺に植えた紀州オギです。最初の頃は、生育も旺盛で、茎を伸ばしては盛んに花穂をつけていたのですが、ここ数年は、ほとんど花穂も伸びず、春先からわずかに伸びるだけになってしまい、オギとして風に揺れる様な風情はありませんが、添えとして飾って使うのには、ちょうど良い感じになってきました

 ですから、実際は紀州オギとして鑑賞するのではなく、イネ科の植物として、水辺の風景を現すための素材の一つみたいな位置付けにしています。つまり、大鉢に植え主役として使う場合は、その草の持つ風情を大事にして作りますが、添えとして作る場合は、主役を引き立たせるために使う物ですから、風情というよりも、草姿を一番大事にして、主役と良くマッチするように心がけて作るようにしているのです

 この蛸壺オギも、花穂が出てしまいますと、ちょっとうるさい感じになってしまい、添えとしては良くなくなる場合が多いので、無肥料で水も辛めにして作っています。それとは反対に、大鉢で作っているオギは、じゃんじゃん肥料を与えて、なるべくボリュームが出るような作りにしていて、同じ草を作るのでも、まったく違った作り方をしているのが、これからでも、わかってもらえると思います

 この蛸壺植えについては、いろいろなもので10数鉢ほど作りましたが、現在うちに残っているのは、このオギだけになっています。この蛸壺もなかなか面白い素材で、小さな物から大きな物までたくさんありますので、入手できるようでしたら、作ってみると楽しいかもしれませんね

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 先日、物置の片づけをしていましたら、まだ使っていない蛸壺が出てきましたので、少し紹介してみます。この作り方は、まず蛸壺の口縁をトンカチ等で少しずつ欠いていき、形を整えるようにするのが、最初の作業になります。多少失敗しても、何かに使う事ができますので、元気よくやりましょう(笑)
 この蛸壺は、すでに割ってあるものですが、ちょっと下の方まで欠けてしまったものですが、充分使う事ができますので、きっと取っておいたのだろうと思います。久しぶりに何かを植えてみようと思っているのですが、どんなものが似合うと思いますか?
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by haruka000s | 2007-06-16 22:15 | 山野草  

箱根サンショウバラ

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 先日は文人の箱根サンショウバラを紹介しましたが、本日は、小品のサンショウバラを紹介してみます

 この木は、富士山や箱根周辺にだけ自生している樹ですので、山梨と静岡は本場ということもあり、作っている人はけっこういそうですが、実はあまりいません。自生している大きな木を見ますと、肌はつるりと白く、山椒のような小さな葉がついて、ピンクの大きな花が咲く光景は、なかなかのもので、それを盆上で表現しようとすると、なかなか難しいものがあります

 樹形作りもですが、なによりも花付きが悪いのが、あまり好まれない原因かもしれません。甲州野梅も花が咲くまでには、かなりの年月を要しますが、このサンショウバラも花付きが悪いので負けていなく、鉢に入れて10年近くも花が咲いた事がない・・・などということを耳にしたりするくらいですから、花付きが悪い事は間違いありません

 一才性とかのように、花付きが良い個体が選別されれば、これも解消されるだろうと思いますが、現状では、なかなか難しいものがあり、しばらくの間は自然個体で楽しむしかありません。自然個体だからといって、すべての個体が総じて花が遠いわけでもなく、ひょっとすると剪定に原因がある場合も多々あります

 植物には、それぞれ花芽の形成期というものがあります。前年に花芽を形成するものから、その年の新梢に花芽を形成するものもあるくらい、花芽の形成期はマチマチで、種類によってまったく違っています。サンショバラの場合、恐らく夏が花芽の形成期になるはずですから、梅雨入り前くらいに剪定を済ませる事と、花芽の形成期に入るまえに、花芽を作るために必要な栄養素を供給してやる事が必要になります

 普通の雑木と同じように、秋~冬になって剪定をし、花芽を落としてしまい、「花がこない・・・」と悩んでいる方も、恐ろしくたくさんいます。雑木の花物とか実物と呼ばれている物はたくさんありますが、この花芽の形成システムを良く理解していないと、上手に花をさかすことができない種類もありますので、「花付きが悪い」とか「なかなか花が咲かない」などと悩んでいる方がいましたら、植物生理の勉強をちょっとしてみますと、簡単にその原因を知る事ができるかもしれませんので、そのような事で悩んだ時は「花の品種+花芽形成期」でググってみると、簡単に答えが発見できることと思います。盆栽の本やサイトなどいくら眺めても、正確な答えが出てくることはありません

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 さて、このサンショウバラに花を咲かす事ができるかどうかについてですが、この樹種は、この手のバラ科植物と同様に前年の短枝に花芽が形成される特徴があります。ですから、短枝は剪定せずに大事にとっておくようにしてあり、春から伸び出した新梢については、好き勝手に剪定してあり、不要な枝も切除しておき、写真のとおり剪定は完了しました

 あとは、花芽を形成するのに必要な栄養素を与えるだけです。花芽を形成するのに必要な栄養素とは、ズバリ『リン酸とカリ』です。ここで窒素分の多い肥料を与えてしまいますと、また枝葉だけが伸び出してしまう事になってしまいますので、窒素分が少なくリン酸とカリを主体の栄養を与えますと、花芽が形成されやすくなるのです

 窒素分がほとんどなく、リン酸とカリだけの栄養素などというものは、花の生産業者だけが施用している、いわゆる業務用の肥料になってしまい、普通は入手する事が難しいのが現状ですが、幸い今はネット全盛時代ですので、よく調べますと、そのような肥料を小売りしてくれるサイトもありますので、欲しい方は、そのようなサイトから購入する事も可能です。また、多少窒素分が入っていても決してダメではありませんので、園芸店やホームセンターなどをこまめに見ますと、リン酸とカリが豊富に含まれている肥料を置いてある場合もありますので、それで代用することができるでしょう。僕は、リン酸とカリ分だけの肥料を施肥してあります

 このように、それぞれの植物生理に基づいた肥料計画(栽培計画)を行うのも、盆栽作りの面白さでもあります。もちろん、花付きの良い樹種に対して、このようなきめ細かな栽培をする必要はまったくありませんが、「花付きが悪い」とか「花が遠い」とか言われています実生野梅・ズミ・サンショウバラ・カマツカなどは、このような栽培方法(剪定・施肥)を行う事により、意外と早くから花を楽しめる場合がありますので、覚えておくと良いかもしれません。もちろん、山野草にも当てはまる場合がありますので、山野草栽培にも役に立つと思います

 さて、少し前に紹介しましたのと今回の小品サンショウバラですが、このような栽培(梅雨前の剪定・リン、カリだけの施肥)をしたからといって、必ずしも来年花が咲くというわけではありません。しかし、このまま新芽を伸ばしておいて、秋になったら剪定をするというような普通の雑木と同じ感覚で栽培するよりも、はるかに花は咲きやすくなるはずですから、花付きが悪いと悩んでいる方は、試してみる価値はあると思います

 いずれにせよ、植物の生理を知って栽培するのと、知らないで栽培するのでは、段違いの結果が生まれてきてしまいますので、少なくとも植物生理くらいは、もう少し勉強する必要があるように思っています
 少し前に、効果的な施肥について、いつか書きますとしましたが、そのうち、その事について少し触れてみたいと思いますので、興味をお持ちの方は楽しみにしていてください

それにしても、画像が悪くて申し訳ありません
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by haruka000s | 2007-06-14 22:47 | 盆栽  

紅アシ

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この鉢は、紅アシで、持ち込みは4~5年くらいでしょうか。ここ2年くらいは、茎が伸びても6~7cmくらいにしかなりません(笑)。とはいえ、元々根洗いにしようと育てていたので、こんな似合わない鉢に植えられています

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今日も朝から雨が降っていましたので、たまってしまった用事を足しながら、合間に、100均一に出かけ、受け皿を大量に買ってきまして、根洗いを作ろうと思っていた株を、鉢から抜いて根洗いに仕立て直してました

山野草でも、鉢に植えてからの持ち込みは大事なのですが、あまり持ち込んでしまっても、その草の持つ風情が失われてしまい、逆に鑑賞価値が下がってしまうものもたくさんあります
鉢に植えてしまった山野草の鑑賞時期は、そのほとんどが2~3年といったところでしょう。もちろん、もっと持ち込んで良くなる物もありますが、ほとんどが2~3年を過ぎますと、だんだん悪くなっていきます

特にイネ科の植物はダメですね。肝心の丈が、まったく伸びてくれなくなってしまいます。そんな時助かるのが 根洗い です。不思議なことに、根洗いにしますと、また丈が伸びるようになりますので、寸詰まりになってしまう草は、最後は、すべて根洗いにしています(笑)

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この写真に写っている左の株も紅アシで、2年くらい前に株分けをして植え付けたものです。両者の丈を比べてもらえば、生育の違いは一目瞭然で、とても右の状態では鑑賞価値などありませんね
あと1~2年もすれば、左の鉢も同じようになってしまいますので、こちらもそのうち根洗いになります。こちらの株は、根を玉状にした形にしようと、少し深めの鉢に植えてあります。アシの類は、本来なら、根を横広に作った方が似合うのですが、このような玉状にしたものでも似合いますので、左の鉢は、そのような姿を狙っているのですが、どうなるやら・・・・・
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by haruka000s | 2007-06-10 23:38 | 山野草  

紀州オギ

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イグサ・トクサ・アシ・カリヤスなどのように、真っ直ぐ伸びる草が好きで、床飾りにする主役や水石・盆栽の添え用にと、いろいろと作っています。綺麗な花が咲くわけでもなく、あまりにも地味な草ではありますが、渋さという面ではピカイチだと思っています

特に、フトイ・西湖アシ・ススキなどは、床飾りの主役にしますと、良い鉢なですと、う~ん・・・・と唸りたくなるくらいで、本当は、フトイか西湖アシでも飾りたかったところなのですが、両者ともそれぞれ大鉢で2鉢も作っているのにかかわらず、春先から調子が悪く飾れる状態ではありませんので、とりあえず紀州オギを飾ってみました

本当は、河原に普通に生えているオギが好きなのですが、鉢に入れますと、なかなか思ったように作れなくて、いつしかあきらめて、紀州オギや台湾オギを作っています。オギの仲間も、茎は真っ直ぐ伸びるのですが、だんだん枝垂れるような感じになってしまいます。フワッと株が開く姿も、それほどそれほど悪くありませんので、ちょっと紹介してみます

オギの類は、細長く伸びながら垂れるようになりますので、盆栽で言うところの懸崖状になってしまいます。そのため、その風情を活かすのには、2つの方法があり、一つは普通の鉢に植えて、懸崖卓で鑑賞する方法です。この飾り方が一般的で、ほとんどの方がこのように作っている事と思います。もう一つの方法は、懸崖鉢に植えて地板で飾る方法です

写真の鉢は、これから茎が伸びる前の段階ですので、まだ茎が垂れていませんが、これから夏になりますと、ぐんぐんと茎を伸ばしては、垂れながら花をつけていきます。この鉢は、正式には懸崖鉢ではありませんが、まあまあ丈の高い鉢となっていますので、もう少しすると懸崖鉢と同様の風情を楽しむことができます

まだ茎は垂れていませんし、花穂もあがっていませんが、これくらいの状態でも、充分鑑賞価値はありますので、飾って楽しんでいます。特に、今日のような雨降りの日には、このような姿の草が鬱陶しさを吹き飛ばしてくれて、気持ちも良くなります(笑)

大事なのは、地板に飾る事ですね。良く懸崖だからといって懸崖鉢に植えられたものを懸崖卓や中卓で飾る人がいますが、絶対に合う事はありません。不安定になってしまうだけで、見る人に安心感を与える事はありませんから、丈の高い鉢を使う場合は、地板を使う事をお勧めします。平卓でもダメではありませんが、やはり地板の方が優っていますので、このような物を鑑賞する場合は、地板を使って鑑賞したいものです
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by haruka000s | 2007-06-09 23:06 | 山野草