カテゴリ:盆栽( 3 )

 

ミニスモークツリー

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スモークツリーは「煙の木」とも呼ばれていて、高木とまではいきませんが、成長が早く結構大きな木になり、通称どおり煙のような細かい花をつける木です

盆栽として作られることも珍しい樹種だと思いますが、僕は6~7年ほど前に実生をして何本か作っています。ほとんどが、50cmくらいの文人なのですが、何を血迷ったのか、作っている途中で1本くらいミニを作ってみようかなと思い、ミニにチャレンジしたものがあり、それがこの木です

樹高は正確に測ってはいませんが、7~8cmくらいだと思います

樹勢は強い木で、いったん庭植えにでもしようものなら、あっという間に屋根まで届くくらい伸びてしまいますので、ミニにするのは難しいだろうと思っていましたが、さすがに小さな鉢で痩せ作りをしていたためか、それほど始末に困るようなことは無く管理することができ、なんとなくミニ盆栽らしくなってきました


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こちらが裏面です

正面の傷は、まだ癒えていませんので、こちらを正面に作るのもありそうです。力を入れている木ではなく常に放置状態で、ちょっとt可哀相なので写真に撮ってみました(笑)
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by haruka000s | 2011-12-19 00:05 | 盆栽  

箱根サンショウバラ

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 先日は文人の箱根サンショウバラを紹介しましたが、本日は、小品のサンショウバラを紹介してみます

 この木は、富士山や箱根周辺にだけ自生している樹ですので、山梨と静岡は本場ということもあり、作っている人はけっこういそうですが、実はあまりいません。自生している大きな木を見ますと、肌はつるりと白く、山椒のような小さな葉がついて、ピンクの大きな花が咲く光景は、なかなかのもので、それを盆上で表現しようとすると、なかなか難しいものがあります

 樹形作りもですが、なによりも花付きが悪いのが、あまり好まれない原因かもしれません。甲州野梅も花が咲くまでには、かなりの年月を要しますが、このサンショウバラも花付きが悪いので負けていなく、鉢に入れて10年近くも花が咲いた事がない・・・などということを耳にしたりするくらいですから、花付きが悪い事は間違いありません

 一才性とかのように、花付きが良い個体が選別されれば、これも解消されるだろうと思いますが、現状では、なかなか難しいものがあり、しばらくの間は自然個体で楽しむしかありません。自然個体だからといって、すべての個体が総じて花が遠いわけでもなく、ひょっとすると剪定に原因がある場合も多々あります

 植物には、それぞれ花芽の形成期というものがあります。前年に花芽を形成するものから、その年の新梢に花芽を形成するものもあるくらい、花芽の形成期はマチマチで、種類によってまったく違っています。サンショバラの場合、恐らく夏が花芽の形成期になるはずですから、梅雨入り前くらいに剪定を済ませる事と、花芽の形成期に入るまえに、花芽を作るために必要な栄養素を供給してやる事が必要になります

 普通の雑木と同じように、秋~冬になって剪定をし、花芽を落としてしまい、「花がこない・・・」と悩んでいる方も、恐ろしくたくさんいます。雑木の花物とか実物と呼ばれている物はたくさんありますが、この花芽の形成システムを良く理解していないと、上手に花をさかすことができない種類もありますので、「花付きが悪い」とか「なかなか花が咲かない」などと悩んでいる方がいましたら、植物生理の勉強をちょっとしてみますと、簡単にその原因を知る事ができるかもしれませんので、そのような事で悩んだ時は「花の品種+花芽形成期」でググってみると、簡単に答えが発見できることと思います。盆栽の本やサイトなどいくら眺めても、正確な答えが出てくることはありません

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 さて、このサンショウバラに花を咲かす事ができるかどうかについてですが、この樹種は、この手のバラ科植物と同様に前年の短枝に花芽が形成される特徴があります。ですから、短枝は剪定せずに大事にとっておくようにしてあり、春から伸び出した新梢については、好き勝手に剪定してあり、不要な枝も切除しておき、写真のとおり剪定は完了しました

 あとは、花芽を形成するのに必要な栄養素を与えるだけです。花芽を形成するのに必要な栄養素とは、ズバリ『リン酸とカリ』です。ここで窒素分の多い肥料を与えてしまいますと、また枝葉だけが伸び出してしまう事になってしまいますので、窒素分が少なくリン酸とカリを主体の栄養を与えますと、花芽が形成されやすくなるのです

 窒素分がほとんどなく、リン酸とカリだけの栄養素などというものは、花の生産業者だけが施用している、いわゆる業務用の肥料になってしまい、普通は入手する事が難しいのが現状ですが、幸い今はネット全盛時代ですので、よく調べますと、そのような肥料を小売りしてくれるサイトもありますので、欲しい方は、そのようなサイトから購入する事も可能です。また、多少窒素分が入っていても決してダメではありませんので、園芸店やホームセンターなどをこまめに見ますと、リン酸とカリが豊富に含まれている肥料を置いてある場合もありますので、それで代用することができるでしょう。僕は、リン酸とカリ分だけの肥料を施肥してあります

 このように、それぞれの植物生理に基づいた肥料計画(栽培計画)を行うのも、盆栽作りの面白さでもあります。もちろん、花付きの良い樹種に対して、このようなきめ細かな栽培をする必要はまったくありませんが、「花付きが悪い」とか「花が遠い」とか言われています実生野梅・ズミ・サンショウバラ・カマツカなどは、このような栽培方法(剪定・施肥)を行う事により、意外と早くから花を楽しめる場合がありますので、覚えておくと良いかもしれません。もちろん、山野草にも当てはまる場合がありますので、山野草栽培にも役に立つと思います

 さて、少し前に紹介しましたのと今回の小品サンショウバラですが、このような栽培(梅雨前の剪定・リン、カリだけの施肥)をしたからといって、必ずしも来年花が咲くというわけではありません。しかし、このまま新芽を伸ばしておいて、秋になったら剪定をするというような普通の雑木と同じ感覚で栽培するよりも、はるかに花は咲きやすくなるはずですから、花付きが悪いと悩んでいる方は、試してみる価値はあると思います

 いずれにせよ、植物の生理を知って栽培するのと、知らないで栽培するのでは、段違いの結果が生まれてきてしまいますので、少なくとも植物生理くらいは、もう少し勉強する必要があるように思っています
 少し前に、効果的な施肥について、いつか書きますとしましたが、そのうち、その事について少し触れてみたいと思いますので、興味をお持ちの方は楽しみにしていてください

それにしても、画像が悪くて申し訳ありません
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by haruka000s | 2007-06-14 22:47 | 盆栽  

赤松 実生

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写真の赤松は、2年前に実生して、昨年、直根を切りポットで一年間養成した小苗です

赤松は私の住んでいる山梨では、恐らく数百万本単位で山野に自生している
珍しくもない、ごく一般に見られる普通種です
その気になれば、いくらでも山採りもできますから
本格的な盆栽にしようと思ったら、山採りをするのですが
今回は、種から作ろうと思い実生してみました

赤松・・・というと樹肌が赤い松を連想します
山に普通に生えている樹や庭園樹・公園に植栽されている樹を見ますと
やはり普通に赤く見えるのが一般的なのですが
不思議な事に盆栽になっている赤松で、肌が赤い物は珍しく
肌が荒れている古木はよく見かけるのですが
肌が荒れずに強い赤みだけを持っている盆栽は、本当に数が少ないもので
小品盆栽では皆無に等しいくらいでしょう

このことは、その樹種が持つ性質によるもので
ほとんどの赤松は、加齢とともに肌が荒れてくるのが普通です
肌が荒れずに赤みだけを持っている盆栽は、もの凄く珍しく
今までに数本しか見た事がないくらいです

この樹種が持つそれぞれの性質として特徴的なものは
花色の違いなどが代表的なものです
同じ樹種でありながら、白花・ピンク花・赤花が咲いたりするのが
その代表的な性質の違いかもしれません
梅などは、花色が違うだけでなく、一重や八重咲きなどの咲き方の違い
咲き分け花が咲いたり、枝垂れがあったりと
バラエティーに富んでいますが、これも梅という樹種が持ちあわせている特徴を
それぞれに活かしたものです
梅は江戸時代前期から日本人に親しまれている古典園芸植物の一つですから
優良な個体選別がされたり、品種が改良されたりしている歴史があります

赤松は江戸時代後期から盆栽になっていますが
花が咲くわけでもない地味な樹ですから
優良系統の選抜や、育種などはほとんど行われておらず
枝垂れ性の赤松が庭園樹として作られたり
岩石性(肌が荒れやすい・雑木で言うところの荒皮性)や亀甲肌の赤松が
選抜されているくらいです
この三つは、現在でも接ぎ木で細々と増殖されています
数は少ないのですが、時たま盆栽にもなっていますので
ご存じの方もいるかと思います

盆栽に作られている赤松では
三陸・能登・長野産などが有名で
こちらでは、長野の北信産の赤松が
肌が荒れやすく、葉性も短葉で細かくなり
盆栽として作るのには、一番優れていると言われていて
特に好まれています
「とはいえ、そこまでこだわっている人は、かなりの赤松好きしかいませんが(笑)」

さて
冒頭の赤松実生苗についてですが
赤松の実生苗くらいだったら、いくらでも山から採ってこれるのに
なぜ実生をしたのかが今日のポイントです

2~3年前に、仕事である公園に行ったところ
駐車場の周りに植えられている、10数本の赤松があり
何気なく見ていましたら、どの樹も肌がまったく荒れていなくて
綺麗な赤色をしているのに気がつきました
「えっ、ここの赤松はなぜ肌が荒れていないのだろう」と不思議に思い
しげしげと何本かの樹を眺めていましたら
なんと、この赤松はすべてが接ぎ木で作られていた樹でした
すべての樹が、足元(根元)20~30cmくらいから接がれていて
台木は肌が荒れた赤松で、接がれた上は荒れずに赤くなっていたのです
太いものは、直径が60cmくらいも木ですから
50~70年生くらいでしょうか
恐らく、肌が荒れずに赤くなる性質を持った樹を接ぎ木して増やしたものでしょう

これは面白い木を見つけたとばかり
一昨年の秋にまだ青い松ぼっくりを採集してきて
その種子を蒔いたのが、この実生苗なのです
順当に考えれば、親の持つ形質(性質)が、ある程度は遺伝されるわけですから
この実生苗も肌が荒れずに赤くなる形質(性質・特徴)を持っていると考えられ
その形質が発現され、幹径2cm前後・樹高20~30cmくらいで
肌が荒れずに真赤なものができるであろうという甘い考えで、実生したのです

赤肌の赤松盆栽など夢みたいな発想なのですが
こんな樹ができると楽しいのですが、どうなることやら・・・・
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by haruka000s | 2007-04-03 00:09 | 盆栽