2008年 03月 09日 ( 1 )

 

植え替え時期についての考察

陽気もだいぶ良くなってきて、外で作業をするのも楽な時期になってきました。盆栽では植え替え時期になってきたようです

植え替えについては、真夏を除く一年中できると思っているのですが、その効果を考えると、やはり春先の時期が植え替え適期ではないでしょうか。春は気温も上がり、芽も根も旺盛な発育をする時期ですので、適期と言えるでしょう

一般的には、「芽が動き出してきた頃」とか「芽動きが始まった頃」が適期とされていますが、僕の持論は「根が動き出す前」ではないかと思っています

植物は最初に根が活動を始めてから芽吹きを迎えますし、種子が発芽すのも根から発根してくるように、根が最初に活動した後、芽吹きや発芽が始まる事から、根の活動を知るという事は植物生理上からも大事な事と考えています

植物には生育適温というのがあり、低温や高温であればほとんど活動はせず、生育適温時にだけ活発に活動を行っていて、日本産の植物は種類にもよりますが20~25度くらいが生育の適温とされていて、この整理特性を活かす事ができれば、木作りは早まっていきます(この事は別の機会にでも・・・)

それに対し、根の生育適温はやや低めで15~23度程度となっています(樹種によって若干違いますが)。根の生育適温が低いという事は、春先は先に根が活動を始め、秋になり芽の生育が止まっても根は活動していると言う事を示しています

秋肥は長く効くとか効果があるというのも、この根の生育特性からきているもので、上部はまったく活動していなくても、樹木本体には根から吸収した養分が蓄積される事になり、翌春の力強い芽出しが期待できる事になります

さて、それだけ重要な役割をしている根ですから、植え替え時には大事にしたいですし、適切な処理を心がけたいと考えています。育成中の若木なら根を切らずに植え替えするというのは前述したとおりなのですが、本鉢に入るような完成木や完成間近な木については、植え替え時にかなりの根処理をしなければなりません。その時にどのような事に注意しなければならないのかは、ズバリ「植え替え時期」だろうと考えています

前述したとおり、植物の根は芽よりも低い温度の時から動き出します。芽が動き出しそうだからといって鉢から抜いて見ると、すでに白い根が旺盛に動き出しているという経験は誰しもしていると思いますが、動き出してしまった根を切除するというのは、あまり良い事ではないのは言うまでもありません。ですから、根が動き出す前に根を切って植え替えをした方が、後々の生育が良くなるはずで、植え替えの最適期とは、根が動き出す前が一番良いという事になります


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この写真は、赤松の小苗ですが、まだ白根が見えておらず、そろそろ根の先が動き出そうかという感じです
(この樹の場合、小苗なので根を切りませんので、これで十分です)


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こちらの写真は、左がクヌギで右がコナラです。同じ日に植え替え(撮影)をしたのですが、クヌギやコナラの方は、すでに数cmも白根が伸び出しているのがわかります。僕からしますと、これだけ白根が伸びてしまっていては、植え替えのタイミングが少し遅すぎているという感じです。あと10~15日ほど早くても良かったかなと思っています

とは言っても、雑木と松柏では根の生育速度や伸長度も違い、雑木の方が松柏よりも強健に根が伸長しますので、根を切る事の影響は少ないようで、松柏の方が影響は大きく感じています。そのようなこともあって、普通なら雑木から始める植え替えですが、僕はあえて松柏から始めるようにしています

つまり、松柏だけは根が動き始めてからでは、ちょっと遅すぎではと思いますし、雑木であれば旺盛な生育をするので、かなり根を切っても管理さえキチンとできれば十分に生育できるだろうと

ちなみに、このクヌギとコナラはポット植えから駄鉢植えに昇格し、思い切って切除したので根量は10分の1くらいになってしまいました。あと2~3年すれば本鉢にあげることができると思いますが、本肌がくるのはまだまだでしょうね
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by haruka000s | 2008-03-09 22:38 | 木作り