2008年 03月 01日 ( 1 )

 

道具類の価値などについて

水石や盆栽には、石や樹だけでは成立しなくて、水石を据える水盤や樹を植える鉢、それらを飾る卓や地板、添配、床の間に飾るのには掛け軸などが必要になるのは、すでにご承知のことと思い、これらの必要なものを道具と呼びます

これら道具類の中で一番身近で多用するのは、水石であれば水盤で、盆栽であれば鉢ということになり、水盤や鉢は普及品的な物から高価な物までさまざまあり、身近な物ですから趣味家の人には馴染みの物で、ある程度の相場は皆さんご承知のことと思います

ところが、卓や地板、あるいは添配・掛け軸などの道具類となりますと、あまり必要とされる物ではないことから、その物の価値や価格となると、わかりにくい人が多いかと思います。そこで、今回からこれらの道具類について、少し書いてみたいと思います

今回は最初ですから、総論的な話から始めたいと思います
まず最初に覚えておきたい事は、量産品より手作り品であることが挙げられます(当たり前ですね)。いわゆる「一品物」の方が価値がある事は言うまでもありません

次に大事なのはデザイン(形状)です。手作り品だからと言って何でも良いわけではなく、デザインが優れている物の方が価値があり、使い難い物や使えないような物については、グット価値が落ちてしまいます

その次は、材質や仕上げといったところでしょうか。材質においてもその優劣はありますし、仕上げの良し悪しでも価値は違ってきてしまいます

その次は、製作者でしょうか。真に一流の製作者であれば、何を作っても上手に品のあるものを作ることができますが、二流(あまり良い表現ではありませんが)の作者であっても、時として優れた物を作り出すことがあります。常に良い物を作り出すことができるかできないかが、一流と二流の違いではないかとも考えています

その次にくるのは、希少性といったところでしょうか。同じ作者が作った物でも、珍しい技法や変わった技法で作られていて、あまり類例を見ないような物は、その希少的価値が生じてきます

その次にくるのは、いわゆる時代的な価値で、まったく同じ物であれば、古くて良い時代がついている方が水石や盆栽にも馴染みますので、時代の価値と言うのもあります

そして、最後にくるのが人気でしょう。人気はあくまでもただの人気だけですから、相対的なものであり絶対的な物の価値とは違ったものになります。ただ、価格には反映されてきますので、とりあえず最後に載せてみました(笑)

細かく考えればまだ他にあるかもしれませんが、ここに記した要因が道具類の価値を決める主な要因ではないかと考えています。道具によっては、これら要因の順序差が出てきますが、それは個々に解説していきたいと思います。これは水石や盆栽に使う道具類だけにとどまらず、恐らく他の道具類でもほぼ同じではないかとも考えています

それから、これは一番大事な事ですので、頭の中に入れておきたい事ですが、製作に要する日数(時間)や制作方法によっても物の価値は変わってきます。これは、違う道具を比較する時に必要になってくる知識なのですが、覚えておいても損することは無いと思いますので、興味のある方は、頭の隅にでも入れておくと、物の価値判断の物指しができるかもしれません

これはどのような事を言いたいのかといいますと、道具類は同じ工芸品でありながらも、大きく分けると「陶芸品」と「他の工芸品」になり、製作日数(時間)や製作数に物凄い差があることです

例えば、小さな鉢(3寸)であれば、手馴れた人であれば一日に100個以上作ることなど造作も無いことですし、大きな窯を持っていれば一度に数100~1000個の単位で作り出すことが可能ですが、いざ卓や鋳銅の添配になりますと、卓一台作るのにも1ヶ月あるいは数ヶ月も掛かったり、手作りの銅添配であってもかなりの製作時間が掛かることは誰しもわかることで、このあたりが陶磁器と他の工芸品の大きな違いとなってきます

つまり、陶磁器と他の工芸品類では、最初の時点で『価値』そのものの考え方が変わってくるとも言えるかもしれません。かなり多くの方が卓や銅の添配は高価だと思っている事と思いますが、実際の製作時間や制作費を考えますと、陶磁器の方がはるかに割高なのは、この事でもおわかりかと思います

そのような目で道具類を見回しますと、一番安いと思われるのが卓で、水盤・添配・掛け軸・地板の順になり、一番高いと思われるのが鉢なのです。鉢コレクターさんや鉢好きの人が読まれますと怒られそうですが、基本はこんなものだろうと考えています
[PR]

by haruka000s | 2008-03-01 22:59 | その他