土破石

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この写真は、今月の床の間を飾っている水石で、川擦れの効いた四万十川の土破石と呼ばれている景状の石です

土破石の定義とは、平らな破面持ち、破面上に山を持っている形状の石で、形としてはシンプルな形状の石となっていて、平らな破面は平野・平原・草原などの景色を表しており、基本的には、関東平野とか濃尾平野とかのような穏やかな平地の風景を表している石です

もちろん、広大な平野に限っているわけではなく、盆地や山間部にある狭い平地と見立ててもかまわなく、れこれは飾る人の飾り方や、見る人の見方・感じ方で若干変わってきますが、平地の風景に変わりはありません。つまり、広大な平野の風景と見ても良いですし、山間にある農村部の平地であっても問題ありません

こんな単純な石なら、そこらじゅうどこにもあるじゃん!・・・・・と思われる方もいるはずですが、これがなかなか難しくて、ただ平らな破面と山を持っていれば良いというわけではなく、いくつか付加しなければならない条件がいくつかあるのです

①最低条件として必要なのは、山がある方が無い方よりも奥行きが広くある事です。石には盆栽と同じように流れ(勝手)が必要で、 左→右 あるいは 右→左 というように流れを作ることが必要で、山がある方が勝手側になりますので、流れる先(山の無い方)に自然と石の流れが出る事が必要とされるからです

②また、石の流れというのも分散しては綺麗に見ることができませんので、石の流れの先端は細くなって、流れがその部分に集中することも、綺麗な流れを作るために必要な要素となるからです

③もちろん、この事ばかりでなく、石全体の形状・山の大きさと波面のバランス・高さ、奥行き、広さなどのバランス、山の形状や位置、前面の見付け線の美しさ等々、評価すべきポイントはたくさんあり、これらを総合評価することにより石の善し悪しが決まってきます

一見すると簡単そうな石ですが、上記のとおり難しい石ですので、なかなか良い石が無いのもこの土破石です


さて、水石と盆栽ですが、似て非なる物のようにも思いますが、意外と多くの共通点があるもので、盆栽作りにも当てはめる事ができます

①で書いたように、山がある方が広くあるべき・・・・・というのは、 山=盆栽の頭部 という事になりますので、盆栽の頭部がある場所よりも、枝先のある場所の方が広ければ(奥行きがあれば)とても美しい盆栽にはなりません

②で書いたように、石の流れの先端は細く集中するべき・・・・・というのは、盆栽で言うところの差し枝部分にあたりますので、差し枝が何本もあるような盆栽では木の流れが集中しませんし、差し枝の先端部分が四角っぽくなっているようでは、差し枝も美しくないばかりか、流れが分散してしまい間の抜けたようなものになってしまいます

もちろん、この2点だけではなく、③で書いたような評価すべきポイントも、そのまま盆栽に当てはめる事ができます(細かい説明は省略しますが)

水石は難しいと思われる方もいるかと存じますが、このようにして見ていきますと、その基本は盆栽とそれほど変わらないという事がわかっていただけると思うのですが、どうなんでしょうね??
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by haruka000s | 2009-02-19 00:00 | 水石  

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