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水吸い作成・2

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前回は丸幹状態のものから水吸いを作る作業の初期段階をアップしましたので、今度は少し経過したものを書いてみたいと思います

この木は、少し太めのものを挿したもので、挿し木5年くらいのものです。最初に曲付けをして肥培しておいたもので、2年前に荒整枝を行いビニールポットからこのポットに植え替えし、幹を削っておいた(皮を剥いた)ものです

ある程度板幹状になることを目指し、昨年も削り直しをしてあり、そろそろ作りたいところなのですが、まだ予定している枝が思ったように伸びず作る事ができません(笑)。そのため、再度削り直しを行ってみたいと考えています。つまり、樹作りにはいるのにもう少し時間がかかりそうなので、もっと良い水吸いにしてやろうという極めて安易な考えです(笑)

とは言え、この木は幹の変化と動きを見せたい木ですので、太みはこれくらいでも充分で、あとは綺麗な水吸いを作れば鑑賞できるだろうと考えていますので、幹の太さに調和した水吸いを作るように心がけたいところです

写真に撮るのを忘れてしまいましたが、かなり細く水吸いを削ってしまいました(笑)。水吸いの太さはだいたい4mm程度に削り、場所によっては舎利と皮の間を少し削ってあります。このようにしておきますと、巻いてきた皮がこの溝のような所で留まり、横に伸びる事はなく盛り上がるようになってきます。細幹樹を彫刻する時に、このような方法をとりますと、丸く綺麗な水吸いを作る事ができます。ただし削り過ぎには注意しなければならず、水吸いを削る場合は、最低でも3mm程度は残すことが必要で、それ以上削ってしまうと、水を揚げない場合があります(つまり、枯れてしまいます・笑)


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それと、水吸いを削るのと同時に樹作りを始める人も多いと思いますが、水吸いを削るのと同時に枝葉の整理を行ってしまいますと、当たり前ですが水揚げ量は減ってしまい、なかなか水吸いが太りません。ですから、先に水吸いを作ってから枝の整枝を行うという順番で作業を行っていきますと、樹も早く仕上がる事になります


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この木は、赤線で囲んだ部分の1~2本の枝だけで木を作る予定になっています。しかし、水吸いを作るために木の先端には大量の枝葉が残されています。つまり、現段階では、先端の枝葉を引っ張りながら(伸ばしながら)水吸いを作り、木を作る枝葉の充実を待っている・・・・・という段階にあります。かなり樹勢が乗ってきましたので、このまま順調にいけば、今秋以降くらいには樹作りを行うことができるはずです

樹作りを行う予定をしている枝葉も、実のところは細い1本の枝でしたので、いわゆる一枝作りということになります。あまり状態の良くない枝でしたので、周囲にある不要な枝葉は全部切除しておき、日光が良く当たるようにしておいたので、だんだん健康になってきたように思います


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この木も同様の方法で作りつつある木で、やはり先端部分を引っ張りながら水吸いを作り、樹作りをする枝葉の充実を待っているものです。板幹にでもしようかなと思っていますので、左右にある水吸いについては、あと数年くらいはこのまま広げるようにしていき、最終的には左側にある水吸いを舎利にしてしまいます


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この写真が全体像ですが、手の右側にある葉群は捨て枝ですので、将来はジンにしてしまいます。そうして手の左側にある葉群で木を作っていくようになりますが、こちらも最終的には一枝で作っていくことになると思います


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この写真は、別の素材でちょっと太めの物です。昨年軽く剥いておきましたので、今年は本格的な水吸い作りに入ります


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一度削ってありますので、無理はせずゆっくりと時間を掛けて作っていく予定の木です。ですから、とりあえず水吸いの太さは1cm位にしてあります。そのうち、もう少し細く削る予定ではありますが、幹径が前の木よりもありますので、夏には6~7mmくらいに削りこんでから太らせるようになると思います

by haruka000s | 2008-05-31 23:31 | 木作り  

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