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赤松山取り作り

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盆栽の素材作りには、実生や挿し木から素材を作る事が一般的には多く、特に小品盆栽では、一番多用されている方法でしょう。その他にも山取りという方法があり、山野に生えている小苗などを採取してきては、その苗から作る方法もあります

都会にお住まいの方などは、山取りをしようにもすることはできませんが、田舎では良く行われている方法で、その個体は山実生などとも呼ばれています

僕も、さまざまな樹の山実生苗を取ってきては、良く作って遊んでいます。山実生苗の良いところは、すでに数年から、樹によっては10数年の時代が経過しているため、盆栽に仕立ていても肌が早く荒れやすいという特徴があります

特にミニや小品を作っている人などは、少し太めの古い樹を取ってきては、低い位置で切りつめて作るのが流行っているようで、時代の乗りも良いため、最近は、好まれているようです。僕の場合は、細幹が多いため、そのような方法にはあまり興味がなく、普通の小さな実生苗を取ってくる事が多いです

この写真は、今春に採取しておいた赤松の小苗です。小さな苗を丁寧に採取しておき、赤玉単用で植えてあり、今秋から肥料を与えています。2本ほど枯れてしまいましたが、これに写っている樹は、まず枯れる事はありませんので、来春には1本ずつポットにでも移して肥培をしていく予定です


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こちらは、少し大きめの苗です。少し大きめの苗については、採取してきてすぐこのように地植えにしてしまいます。もちろん、鉢植えにしてもかまわないのですが、水やりも大変ですし、日影を選んで地植えにしてしまいます

このような状態で、1年間ほおっておおいて、来春に鉢上げをする予定です。少し大きめの苗については、根の状態にもよりますが、極端に乾燥に弱く、軽い水切れでもすぐに枯死してしまいますので、1年間は地植えにしておき、少し根ができてきたところで鉢に移し、通常の管理を行うようにしています。そうすることにより、管理も楽で枯死率が低くなるように思っています

このように細長い苗などは、あまり良い樹にはなりそうにありませんのが、文人に作ろうと思うと、さほど難しいことではなく、根が充実しさえすれば、早く仕上げる事は可能ですが、なかなか時間がかかってしまうのも現実です(笑)

文人だけでなく、寄せ植え材料としても重宝しますので、来春には、これらの樹と既存の樹とあわせて何鉢かの寄せ植えを作ろうと計画しているくらいで、寄せ植え材料としては最適なものです

1枚目の写真で見てもわかるとおり、小苗であってもポツポツと胴吹きが見られてきましたので、この芽を活かせば太らす事や小さく作る事も可能ですので、小苗と言えども、それほど馬鹿にしたものではなく、作り方次第で盆栽にすることができます

それには、根を充実させて樹勢をつけるのが一番のポイントになりますので、施肥云々の前に、用土や水やり、管理場所に注意しながら、できるだけ根を作っていく事が肝心です。とは言いましても、「根を作る」とは言葉にすれば簡単なのですが、実践するのはなかなか難しいものがあり、その人の棚場環境や水遣り環境に合わせて、用土の粒子の大きさや配合を決めなければなりませんので、ちょっと面倒かもしれません

ちなみに、僕の事を書きますと、用土については、硬質赤玉単用か硬質赤玉と軽石を配合した用土を主に使っています。ある程度根があるようですと、これに腐葉土を混合するなどしたりもします

これらは春先に採取してきて、何本かをまとめて鉢に植え付けるのですが、日差しが強い夏を過ぎるまでは、ほぼ全日影に動かさないように置いておき、9月に入ったら、枯死したものを取り除いて陽に当てていくようにし、施肥をおこなうようになります。来春までこのままの状態にしておき、来春になったら、1本ずつ鉢上げをするようにします。小苗については2~3号のポットに、地植えにしたものは4~5号くらいのポットに植え替えをして肥培を開始することになります。植え替え時には、軽く根の整理を行いますが、この時も、太根と走り根だけは整理しますが、小根については絶対に切らずに多少長くても、軽くまとめて鉢中に納めるだけにとどめておくのがポイントです。あとは、通常の管理をしていれば、樹勢も乗ってきますので、そうなったら針金を掛けて幹姿を作っていけば良いだけです


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最後の写真は、山取り後3年くらいを経過した樹です。写真で見てもわかるとおり、ほとんど樹勢がのらず、枝もまるっきるできていません。それでも、植え替えせずに少しずつ肥培をしていますと、そのうち樹勢がのってきて枝もできてきますので、それまでの辛抱です(笑)

1年で芽が5cm位伸びるようになりますと、枝も作れるようになりますので、木作りはそれからですね。ちなみに、針金がかけてありますが、これは芽を上向きにさせているだけの補助で、芽を上向きさせているだけでも多少は樹勢上昇に役に立ちます

by haruka000s | 2007-11-10 23:35 | 木作り  

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