床の間飾り

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こちらの飾りは、展示室内に仮の床の間を設えて床の間飾りをしたものです。展示の内容については、砂を敷き詰めた水盤内に主石を据え、卓と取り合わせて飾り、これが主飾り部分となります


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この石は写真ではわかりにくいですが、海上にぽっかりと浮かぶ島の形を連想させる石で島型石と呼ばれるものです。砂を海に見立てて水盤に据えてあると思ってください


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それに掛け軸が取り合わせてありますが、画題は波に燕となっており、島型の石にあわせて海の景色を表現してあり、作者は竹内栖鳳となっています


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また、左側にはひょろひょろとした草がありますが、これは主飾りに対する「添え」と呼ばれているものになります。この草はどこにでもある雑草の「タデ」で、横に長めの石ですので、縦にグンと伸びた感じのこの草を取り合わせ、席全体のバランスを取っています

主飾り・掛け軸・添えの3点を取り合わせて、景色感を創出したり、季節感を創出したりして表現するのが水石飾りと呼ばれているもので、今回はこの3点を取り合わせて「初夏の海」を表現しています。今は蒸し暑い梅雨ですから、少しでも涼感を出そうと、やや荒めの波が描かれているものを使っています
また、取り合わせてある水盤は青磁釉、添え草の鉢は均釉とそれぞれ涼しい色使いをしているのも夏飾りならではの心遣いになっています
また、これらの取り合わせについては、水石については動きの無い(静)、掛け軸については、飛翔している燕ですので動きのある(動)、添えについては、動きのない野草ですので(静)になり、静+動+静という感じで、飛翔する燕の軸が席全体に動きを与えています

この席をパッと見て、上記のようなことを全て感じてもらえれば最高なのですが、飾った席主の思いを瞬時に理解するのには、相応の鑑識眼や美意識、それなりの知識を持ち合わせていなければなりませんので、実際はほとんどいません。大袈裟に言えば全国で数十人といったところでしょうか

このあたりが水石の奥深さでして、そこまでやるから奥深く楽しめるのだと思う気持ちが半分あり、そこまで奥深く追求せずに楽しんでいれば良いんじゃあないのというのが半分ですね。僕自身は知的好奇心が旺盛なため、ついつい追求してしまいます(笑)
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by haruka000s | 2013-06-26 22:43 | 水石  

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