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ヌルデ

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これはヌルデという木です

いわゆる先駆植物(パイオニア植物)で、林などが伐採されると一番最初に生えてくるような木で、林道脇などにたくさん見られます。ウルシ科の植物ですから、弱い方はかぶれることもありますが、それほど強力ではありませんので、普通の人なら大丈夫でしょう

何年か前に、採取して鉢上げした時に紹介したことがありますが、最初から双幹で作っていて、そのまま植え替えもせずに持ち込んでいるものです

これといった特徴があるわけでもなく、強いて言えば紅葉が綺麗なことくらいで、枝はほとんどできずに棒状に幹が伸びるだけという感じなので、普通の人であれば盆栽に作ろうとは思わない樹種でしょう

僕は紅葉を見るために作っているようなもので、綺麗な紅葉と、持ち込んだ細幹を味わうために作っていて、メインの使い方は、水石展のコーナー飾りにすることを前提に作っていました

今回の水石展では、アヤメをコーナー飾りに使おうと考えていたのですが、予定していたアヤメは1週間以上も早く咲いてしまい、展示会に使うことができませんでしたので、その代役として、このヌルデを初めて出してみました

見所にはなっていませんが、花も咲き始めたのでこれで誤魔化すか・・・・といった感じです(笑)。ちなみに、花が咲いても雌雄異株ですので結実はしません

このような木でも、春先になりますとブツブツと芽が吹いてきますが、すべて掻き取ってしまい、先端の一芽だけで作るようにしています。ハゼ・ナナカマド・南京ナナカマドなど同じような仲間があり、何鉢か作っていますが、三幹で作っている一鉢の1本だけ枝別れを作っていますが、他はすべて先端の一芽作りです

普通に盆栽を作っている人ならば、枝作りができにくい木で芽が吹いてくれば喜ぶところでしょうが、僕はその反対の作り方をしています。まあ、表現方法はいろいろとありますので、どのように作ってもかまわないのですが、僕と同じような作り方をしている人や盆栽には、ほとんど出会ったことがありませんので、どう考えても異端児みたいなものなのでしょう


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展示会は水石愛好家のみならず、盆栽の愛好家さんも訪れてくれます。今回、盆栽愛好家さんを案内をしている時に、この木のことを訪ねられましたので、「この木はヌルデという木で、採取時からそのまま双幹で持ち込んでいる木です」と紹介したところ、「味があって良い木ですね」と言われました

まあ、お世辞だとは思いますが、たとえお世辞であっても少しでも評価して貰えれば悪い気はせず、思わず差し上げようかと思ってしまいました(笑)


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これが花のアップです

まったく鑑賞価値はありませんが、「花が咲いている」というだけですね。また、昨年先端が2芽に分かれてしまいましたが、弱かった1芽だけで作っているのがわかると思います

by haruka000s | 2011-05-18 23:38 | 双幹  

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